年始に目標を決めてはならない3つの理由【生きる目的とブッダの教え】

「元旦には1年の目標を立てなければならない」と思っている人が多いと思います。

あなたは、「スキルを身につけて年収を上げよう」「自分を磨いてステキな人と出会いたい」と1年後にはこんな自分になろうと目標を立てても、現実には実現できず、落ち込むことはないでしょうか。

じつは、年の初めの元旦に目標を立てようとするのが、1年間経っても目標が達成できない大失敗の元なのです。

今回は、年始に目標を決めると後悔の1年に終わってしまう3つの理由と、元旦に本当にやるべきことについてお話します。

目次

元旦に立てた目標実現できずに落ち込んでいませんか

年始に目標を立てようとするのは、1年間経っても目標が達成できない大失敗の元です。

なぜなら、元旦だけ目標を立てようとするのは、元旦になれば何かが変わると期待してしまい、自分の言動に目が向かなくなってしまうからです。

仏教を説かれたお釈迦様は「何も行動をしないで幸せが来ることは一生あり得ないのだ」と説かれています。

今回は、年始に目標を決めると後悔の1年に終わってしまう3つの理由と、元旦に本当にやるべきことについてお話します。

この記事を読むと、大晦日に「今年はすばらしい1年だった」と心から喜べるような、今年の元旦の過ごし方を知ることができます。

大切なことは「来年になったら…」と期待するのではなく、今から行動を変えていくことです。

元旦に目標を決めてはいけない3つの理由

理由1 元旦に何か変わると期待するから

毎年12月になると「年始は忙しいから何か変えることなんてできない。きっと年が変わったら自分は大きく変われるんだ」と思っていないでしょうか。

では、そんな人は1月1日になった瞬間に何か別人のように大変身するのでしょうか。

令和2年から令和3年に「年が変わる」。よく考えれば、12月31日から1月1日になるのは、わずか1日です。もっと突き詰めて考えれば、1時間の違いであり、1分、1秒の違いで年が変わるのです。2020年が2021年に変わるといっても、23時59分59秒が0時ジャストになるといっても、それはほんの一瞬のことです。

私たちが何気なく過ごしている昨日と今日の境目と、大みそかが元日になるのとは、そういう意味では何の変わりもありません。

実際、昨日と今日で、あなたは何かビックリするような変化があったでしょうか。昨日まで全然できなかったことが、今日はプロ並みにできるようになった、なんてことは今まであったでしょうか。昨日の延長が今日であり、今日の延長が明日です。

それと同じで去年の延長が今年であって、今年の延長に来年があるのです。そんな時の流れを生きているにも関わらず、何かものすごい目標が定まって、その目標に向かって人が変わったように、猛烈に突き進むようになることは、もしそのように見える人があったとしても、それは、その人が1月1日までにしっかりと準備して、それなりの苦労と努力をしたのが、その時にあらわれたものといえるでしょう。

それまで何もせずに怠けている人が、「自分は来年になったら変わるんだ」と宣言しているだけでは、間違いなく変わることはありません。

お釈迦様は一生涯、原因と結果の関係に基づいて説かれています。

「善いのも悪いのも、自分に起きる運命は、自分のやった行いが生み出したものですよ」

運命の仕組みを明らかにされています。種をまけば芽が生えてきますが、種をまかなければ絶対に生えません。

「何の行動もおこさないで、福の神が来てくれるのを待っているような人には、幸せが来ることは一生あり得ないのですよ」と教えられているのが仏教です。

元旦に起きる奇跡なんてものは期待せずに、今の行いを正していくことが幸せな人生への第一歩だと教えられています。

理由2 今日一日の価値を低く感じるから

理由の2つ目は、「今日一日の勝ちを低く感じるから」です。

昔から「一年の計は元旦にあり」と言われるから何となくそれが正しいのだろうと思って、年始に目標を立てている人も多いと思います。

一方で、戦国武将として有名な毛利元就は、「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」と言っています。

毛利元就といえば、「三本の矢」の教訓でも知られていて、戦いにおける強さもさることながら、教養のある聡明な武将でした。

彼は1年の始まりは春、一ヶ月の始まりは一日、1日の始まりは鶏が鳴く朝であると言って、それぞれに綿密な計略を立てることに重きを置いていたそうです。

もし1年間という期間にとらわれていては、より短期的な視点を持つことができず、急な変化に対応できなくなります。それでは、いつ何が起きるか分からない戦国の乱世を生き抜くことはできないと考えていたのでしょう。

何の前触れもなく事態が急展開するのは、戦国時代だけではありません。

現代を生きる私たちにも、急な病気や自己に襲われたり、感染症が拡大したりと、どんな未来が待っているか、次々と想定外の変化が起きるという点では、昔も今も同じです。

だからこそ、大きな目標を持つことも大事ですが、それは日々の計画と実行と反省の積み重ねの上にあることを、よく頭に入れて置かなければなりません。

毎日、いろいろな方向から押し寄せてくる、苦難や困難、災難を乗り越える努力を忘れていては、人生の荒波に飲み込まれて溺れてしまいます。

また、私たちは、1年の目標だけを考えていると、「今日ぐらい怠けていても、どうってことない、明日からがんばります」とついつい楽に流されてしまって、その「今日ぐらい」が365回積み重なれば、あっという間に1年になります。その365回が長い人でも80回から100回ほど繰り返されれば、人生が終わるのです。

「今日ぐらい」ではなく「今日から」。「今ぐらい」ではなく「今から」行動を変えなければ、今年1年に変化は起きません。

今年1年が変わらなければ、その後の人生、いつ変わるのでしょう。今日の1日には、とてつもない重さがあり、今の一瞬一瞬が、かけがえのない人生であると、お釈迦様は教えられているのです。

理由3 本当にやるべきこと忘れた目標になってしまうから

理由の3つ目は、「目的を忘れた目標設定で終わるから」です。

私たちは目標を立てることで安心してしまって、ついつい目的を忘れて生きています。

1年のはじめには、「今年は英語を勉強して海外留学するぞ」とか「ジムに通って5キロは痩せよう」などと、目標を立てています。

皆それぞれ、人生の節目節目で目標を持って生きているはずです。

良い大学に入って、安定した業種の会社に新卒で入って、20代か30代の頃には結婚して、子どもはできれば2人か3人くらいで、マイホームを職場の近くに持って、定年を向かえたら、退職金で小さな商売でも始めて、と、その都度いろいろな目標があります。

ところが、目標は真剣に考えている人でも、目的となると曖昧な人が多いのです。

そうすると「えっ、目標と目的って何がちがうの?」と思われる人もあるでしょう。

実際に世の中の大半の人が、目的と目標を同じように使っています。ベストセラーになるようなビジネス書や自己啓発本でもその区別を明確にしているものは、ほとんどありません。

しかし、仏教では、2600年も前から「生きる目標と目的とは全く違うものである」と教え続けられています。

そして「人間は皆、急がなければならない生きる目的の達成を忘れて、急がなくてもよい目標ばかりを忙しそうに追いかけているのだよ、とお釈迦様は指摘されているのです。

どんな大学に入るのか、どんな会社で働くのか、どんな人と結婚してどんな家で暮らすのか。

それらは皆、人生の節目節目において変化する、生きる目標と言われるものです。

「とりあえず今はこれを目指す」という人生の通過点に過ぎません。

では、そうやって勉強して、働いて、生きていくのは何のためか。最終的なゴールと言える「生きる目的」と「生きる目標」とは全く違うものです。

その違いを知らないまま、1年の目標だけを決めて満足していたら、本来目指さなければならなかった目的地とは全くかけ離れたところに行きついてしまうかもしれません。

「しまった、ここが本当のゴールじゃなかった」と泣いて悔やんでも、人生に2回目はないのです。

仏教では、「本当の生きる目的は何かを知って1日生きるのは、知らずに100年生きるよりもはるかに尊い」と教えられています。

共通しているのは、生きる目的を知らない、ということ

元旦に目標を立ててはならない理由についてお話しました。

元旦に目標を決めてはいけない3つの理由

  1. 元旦に何か変わると期待するから
  2. 今日一日の価値を低く感じるから
  3. 目的を忘れた目標設定で終わるから

これら3つに共通している問題が「本当の生きる目的を知らずに、目の前の目標だけを追い求めている」という点です。

人生の目的がハッキリ定まれば、勉強も仕事も、育児も健康管理もこのためなんだ!と、すべての生活が意味を持って、心から充実した毎日が送れるようになります。

病気がつらくても人間関係に落ち込んでも、出世競争に負けたとしても、自分の生きる目的を果たすために乗り越えなければ!と生きる勇気が湧いてくるのです。

本当に元旦にすべきこと、とは

本当の目的達成に向かって生きれば、元旦に期待するのではなく、今の自分の行動に目を向けられるようになります。

今日の1日を何よりもかけがえのない24時間だと喜べて、充実感を味わえるようになります。

目的をハッキリと知ったうえで、適切な目標設定をできるようになります。

果たして私たちが人間として生まれてきた目的は何か。どんなに苦しくても生きなければならない理由とは何か。それを明確に把握することこそが、年末年始に本当にやらなければならない最優先課題だと言えるのです。

つまり年の初めに目標を立てるのが悪いのではなく、人生全体の目的を考えないまま、「とりあえず何か目指すものがあったほうがいいだろう」という安易な思いで、目標設定をしてはならない、というのが今日の結論です。

どれだけ年が変わっても変わらない、人間の生きる本当の意味を示されている、ブッダの教えをお伝えしていきます。

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